何らかの事情で歯を失ってしまったときの処置としては、入れ歯やブリッジ、そしてインプラントなどの治療法があります。どの治療法を選べばいいか悩んでしまう人も多いでしょう。最近はインプラント治療を行う人が多くなりましたが、これは外科的な治療となるために敬遠する人も少なくありません。
ここではインプラント治療よりも歯のブリッジ治療がおすすめである理由などを記述します。
歯を失ってしまったときに入れる歯のブリッジとは何か
食事をした後には必ず歯磨きをして歯を大切にしている方は多いです。しかし、長い人生のうちではどうしても歯を抜かなければならないようなことが起きたりもするものです。虫歯に限らず、歯周病、または思いがけない事故にあって失うことなどもあるかもしれません。
様々な事情から歯を失ってしまったとき、ない歯で物を食べるわけにはいきませんから何らかの処置が必要になります。このときに行う主な処置は入れ歯やインプラント、そしてブリッジなどです。歯のブリッジとは、なくしてしまった歯の前後にある健康な歯を削って、そこに義歯を橋渡しする治療法になります。
あたかも歯に橋をかけるように義歯を入れることからブリッジと呼ばれているのです。失った歯の本数にもよりますが、たとえば３本歯をなくしてしまったとすると、この3本分の義歯をその前後にある2本の歯で支える状態になります。
奥歯にブリッジを入れる場合には問題はないのですが、これが比較的に前歯付近になると口を開けたときに銀色の義歯が見えてしまうこともありますから、セラミックなどの素材で白い義歯を入れる方がいいでしょう。
歯を失ってしまうと普通に食事ができなくなってしまいます。食事ができなくなってしまうとやはり健康には良くありません。一生自分の歯で物を食べたいという気持ちはきっと誰にでもあるものですから、こうしたブリッジの治療がおすすめになります。
確かに昔から採用されてきた入れ歯でも食べ物を噛むことは可能です。しかし、入れ歯とブリッジとでは噛む感覚がまるで違います。ブリッジを入れていれば自分の歯で物を噛んでいる感覚に近いですから満足度が違うでしょう。
失ってしまった歯をそのまま放置しないこと
人にとって歯はとても大切なもので、たとえ1本の歯がなくなってしまったときでもそのまま放置してしまうと大変な事になります。たとえば、歯を1本失った状態でそのまま放置していれば、他の歯にも影響を及ぼし、やがてすべての歯を失ってしまうことにもなりかねません。
こうなってしまうと後は総入れ歯しか方法はなくなってしまいます。それだけではありません。すべての歯を失うばかりか健康状態にも悪影響を及ぼしてしまうケースもあります。歯を失ったときにはやはり何らかの処置が必要です。
その処置方法には入れ歯やブリッジ、そしてインプラントなどがありますが、入れ歯よりも自分の歯と同じような感覚で物を噛むことができるのはブリッジとインプラントによる治療になります。また、治療の時間や費用を考えれば、インプラントよりもブリッジの方を選択する人が多いです。
しかし、ブリッジを入れるためにはその橋渡しをするための2本の健康な歯を削る必要がありますので、治療を受けるときにはよく考えなければなりません。意に反して大切な歯を失ってしまったときには、そのまま放置せずにすぐに歯科医に相談して適切な治療を受けることが必要です。
今、世の中は空前の健康ブームと言われ、多くの人たちは健康増進のために運動をしたりサプリメントで栄養を摂取しています。しかし、そういうときにも食事はもっとも大切な部分になるわけです。その食事が歯がないためにできなくなってしまっては、いくら運動をしたりサプリメントを飲んだりしていても意味はありません。
健康な体はしっかりと物を食べるところから始まる、と言っても決して言い過ぎではないでしょう。
インプラント治療よりも優れている部分を持つブリッジ
最近は失った歯の部分にインプラント治療を施す人も多くなりました。有名な芸能人やアスリートたちもこの治療を行っている人がいます。インプラント治療は入れ歯やブリッジ治療よりも快適だと言う人も少なくありませんが、実はブリッジはインプラント治療よりも優れている部分がかなりあります。
インプラント治療は外科的な治療法になりますから、糖尿病や高血圧などの人は治療することができません。しかし、ブリッジは外科的な治療ではありませんから、前述したような人でも治療できます。自分の歯と同じ感覚で食べ物を噛むことができるという点では、ブリッジもインプラントも同じと言えますが、義歯の固定という点では両者には違いがあります。
ブリッジは両隣の歯にしっかりと固定されていますから、たとえ硬い物を噛んだときでも緩んだり取れたりすることがありません。しかし、インプラントは何かトラブルが生じたときのために、簡単に取り外しができるようになっているため、緩んで外れることも起きてしまいます。
ブリッジの治療には保険は適用されるのか
歯のブリッジの治療は昔から行われてきたものですが、これを知らないという人も結構います。入れ歯はおそらく誰でも知っている事でしょう。また、インプラント治療なども最近ではかなりいろんなところで目にしたり耳にしたりすることがあります。
ブリッジを知らない人は、この治療ではインプラント治療のように保険がきかないで全額自己負担になってしまうのではないか、と心配してしまう人も少なくありません。しかし、ブリッジによる治療では基本的に保険でも可能です。
基本的にというのは、保険適用外の場合もあることを意味します。それは保険診療で不可のときと、保険診療で認められない素材を使う場合です。保険診療で不可の場合とは、歯周病などでブリッジを支える両隣の歯に強度がない場合などです。
認められない素材とは、たとえば白いセラミック素材のブリッジなどになります。こういう場合は全額自己負担での診療となってしまいます。前歯のように見える部分でない奥歯などでは、保険診療可能なブリッジを選ぶ方がいいでしょう。
ブリッジを長持ちさせるために必要なこと
歯のブリッジを入れていればあたかも自分の歯で物を噛んでいるような感覚になりますが、これはやはり人工的に作られた物ですから、手入れなども入り念に行わなければなりません。そうすれば長く使うことができます。所詮、自分の歯ではないのだからそれほど真剣に手入れなどする必要はないのではないか、と思ってしまう方も中にはいるかもしれません。
しかし、ブリッジは義歯ですが手入れをしなければそこに菌が付着して何らかの病気を招いてしまう恐れもあります。ブリッジの手入れ方法と言っても通常通りの歯磨きは必要です。食べたら磨く習慣をつけ、ブリッジの部分も他の自分の歯同様に丁寧に磨きます。
また、今は歯間ブラシというものを使ってこれを歯と歯の間に差し込み、歯の根元部分をキレイに磨いている方も増えました。虫歯や歯周病はこのような歯の根元から進んでいくことを考えれば、この歯間ブラシによる手入れはかなり有効だと言えるでしょう。
ブリッジの部分も同じで、ブリッジを支えている２本の歯の根元をしっかりと磨くことが大切です。確かにブリッジを大切にして入り念な手入れを行っていても、これには寿命というものがどうしてもあります。丁寧に扱っていれば長持ちはしますが、それでも永久的に使えるわけではありません。
これはブリッジの素材にもよります。たとえば、奥歯に使われるブリッジは金属製が殆んどです。しかし、比較的に前歯付近になりますと白い歯が必要なことでセラミック素材が使われることが多くなります。セラミックブリッジは歯が欠けることもないので長く使うことが可能です。